研究概要 |
本研究では,自動車ドライバ自身が危険を感じたとき筋電や心拍情報により迅速に自動車を停止させるアクティブ制御とそのための年齢識別を目的とした研究を実施している. 本年度は実車(自動車)を用いた踏み換え実験を実施し,下肢筋群の筋電図は前脛骨筋の反応が最も早く,アクセルペダルを離す前に前脛骨筋の反応が生じることが分かった.この成果は,前年度に台上試験を実施しており,それを実車に応用しても同様の結果が得られたことになり,自動車搭載への可能性を見出した. 次に心拍を非接触のマイクロ波を用いた心拍計測を年齢層別にその変化量の差異を抽出した.昨年度までの研究で心拍収集が非接触で実行できることを明らかにしたが,さらに本年度は,20歳代と50歳代以上の年齢層ではゆらぎに基づく識別値は加齢により小さくなる傾向を定式化して示した.これより心拍に基づき年齢推定を実行できる見込みを得た. これらの研究成果は,マイクロ波によって年齢層識別をすることで高齢者に着目し,前脛骨筋の筋電反応によりブレーキを作動させる新しい運転支援システムの開発やエアバックやシートベルトの耐性別の最適作動を目指す自動車のスマートシステム化への応用が可能である.
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