研究概要 |
本研究提案で明らかにするのは,群無人システムのための通信規格を中心としたアーキテクチャ仕様であるJAUSを,実用化されている無人機に導入することでシステムの流用性を含めた柔軟な運用を目指し,また,群システムへ適用した場合の問題点の洗い出しと,協調行動への試みである,具体的には,JAUSの技術を基幹とした群システムの群編隊・自律協調に向けた,通信インフラの問題点から発生する伝送遅れに対応するための制御技術開発と,そのミドルウェア開発である. 研究成果として,無人移動車両を2台用いてプラトーン走行を実施し,先頭車両を基地局からの遠隔操縦によって操縦し,その軌跡を後方車両に追従させる試験を行った.先頭車両は遠隔基地局から伝送されるJAUSに則った遠隔操縦コマンドにより操縦され,先頭車両のステータスが,同様に後方車両にリアルタイムに伝送されることで,プラトーン走行の実現を行った.また,プラトーン走行の最中において,シームレスに前後の機能を入れ替えも行った.JAUSでは,コマンド毎に作業を行うコンポーネントを拡張していくことによりシステムの拡張性を高めることができるため,運用に対する汎用性も同時に確保することが可能となる.実時間での制御指令・群システムパラメータの分散共有の実現をすることで,ミドルウェアに組み込めるようコンポーネント化を行った.本研究におけるプラトーン走行の制御アルゴリズムは,車両機器の細かなパラメータ設定を除き,JAUSに対応したほぼ同じプログラムにて制御されているため,従来では困難であった制御動作中の機能入れ替えも,遠隔基地局から伝送するコマンドを変更するだけで対応ができ,システムの運用変更を容易に実現することが可能とした.
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