研究概要 |
研究計画に従って、次のような成果が得られた。 1.擬似三角行列となる構造行列(筋張力から関節トルクへ変換する行列)に対して、3関節4腱駆動方式の腱のすべての経路を求めるため、経路決定のためのアルゴリズムを作成した。そのアルゴリズムを計算機シミュレーションによって実行し、4腱力によって制御可能な腱の経路の組み合わせを求めた。 2.腱の経路について、[1]で求められた3関節4腱駆動系とこれまでに提案されている人の指の筋・腱駆動モデルとを比較して、人の指の筋・腱駆動モデルのもつ腱の経路に最も近い3関節4腱駆動系を導き出した。このモデルから、人の示指の筋・腱駆動系モデルにおいて、MP関節に作用する伸腱が新たにモデル化される必要があることがわかった。 一方上記1,および2とは並行に、 3.MRI装置(日立メディコ製,AIRISII、現有)を用いて、5つの屈曲・伸展姿勢における示指の横断面と矢状断面を撮影した。MRIの画像をコンピュータに取り込み,横断面の各画像において、それぞれの筋・腱の輪郭をポリラインで囲み、得られた腱の輪郭を結び合わせて、筋・腱の3次元モデルを作成した。 4.上記3で作成した3次元モデルから各関節における各腱のモーメントアームのモデル化を行った。 これらの研究成果は、2008年6月に開催される日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2008において発表する予定である。
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