研究概要 |
本年度は研究代表者らの研究実績を基に,幼児に対する衝突安全技術の開発と向上を試みた.幼児有限要素人体モデルの開発に関しては,3歳児を中心に有限要素人体モデルの高精度化を試みた.モデル作成は基本データとしてEUで完成された成人有限要素人体モデルのスケールダウン数値を用い,クリング法を用いる事で信頼性の高いデータベースを作成した.また信頼性の高いダミーでの衝突実験データで人体物性値の補完を行った.得られた幼児有限要素人体モデルを用いてインパクトダイナミクス解析の確立を図った.これらのデータベースは3歳児を中心とした幼児のあらゆるインパクト負荷時の解析に資するものである. 幼児にインパクト荷重が掛かる代表事象である衝突時の安全性向上の観点からチャイルドシートの方式と形状最適化を進めた.本年度は形状最適化に取り組み,多目的最適化問題の一種として捉えることで大規模シミュレーションを行った.多目的最適化の手段としては遺伝的アルゴリズムを多目的問題に拡大し,パレット最適解を求める事で具体的な形状の改善指針を得た.これらの成果の一部は日本機械学会D&Dコンフェレンスで2件の研究発表を行い,さらに国際会議ICRASHで報告予定である.
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