研究概要 |
本年度は研究代表者らの研究実績を基に,幼児に対する衝突安全技術の開発と向上を試みた.また,新たに幼児の不慮の事故に関する研究を試みた. 幼児にインパクト荷重が掛かる代表事象である衝突時の安全性向上の観点から数値シミュレーションを用いたチャイルドシートの衝突安全解析を行った.チャイルドシートモデルにロードリミッタモデルおよびエアバッグモデルを付加し,安全性能に対する影響を検証した.次に実験計画法に基づき衝突シミュレーションを行い,その結果を用いて応答曲面を作成し,応答曲面と最適化アルゴリズムを組み合わせてチャイルドシートモデルの最適化を行った. 新たに取り組んだ幼児の事故再現に関しては,幼児の不慮の事故に対する効果的な対策の考案及び評価のため,事故再現を行い,事故状況を把握する必要があると考えた.事故再現に用いるための幼児マルチボディモデルを成人の特性をスケーリングすることで構築した.構築したモデルの生体忠実性をQ3ダミー人形の校正試験である衝撃試験シミュレーションによって評価し,簡単な事故再現シミュレーションを行った. これらの成果の一部は国際会議ICRASH,国際会議ISMA,日本機会学会年次大会,日本機会学会関西支部で研究発表を行った.
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