研究課題
研究代表者は、平成19年度、本提案センサを実配電系に装着するフィールド実験を通して、実用化に対する有意義な知見を得ることができた。具体的には、地元九州電力株式会社佐賀支店配電課の協力を得て、佐賀市内二カ所の縦引き(架空地線あり)ならびに横引き(架空地線なし)配電系において、活線状態のフィールド試験を実施した結果、本樹脂一体型センサの電流センサ部で配電線電流における第3、5、7、9次高調波成分の抽出を行うことができることが判明し、当該電流センサの良好な線形特性を確認した。併せて、縦引き配電系においても、従前では、理論的にしか証明されていなかった当該電流センサに採用した「逆位相直列接続サーチコイル」の良好な位相ずれ補償効果を実証できた。さらに、架空地線なしの横引き配電系においては、フィールド実験実施箇所電柱に設置されていたV結線変圧器二次電圧波形を取得し、電圧センサ出力波形の正当性と位相関係を確認することもできた。なお、この実験の際、本研究課題の備品で購入した横河電機製デジタルメモリースコープDL750P:701210を有効活用し、実験後のデータ解析に役立てた。さらに、平成19年度では、消耗品物品で購入した電子部品で遠隔計測を可能にするH8マイクロコンピュータベースのデータ取得・配信システムを開発し、従前から使用してきた高価なボードコンピュータシステムに代わる、電池駆動、ネットワーク制御型システムを実現することができた。なお、この際、マイクロコンピュータに実装された10ビットA/D変換装置でも、商用周波数に重畳し、種々の高調波障害を起こす可能性のある周波数域高調波成分の抽出にも成功した。
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IEEEJ Trans.PE 128(6号掲載,現在校正中)