研究概要 |
本研究の目的は,キャビテーション法と水中気泡内放電法併用したハイブリッド法による処理の実証と処理装置開発のための基礎的知見を得ることである。研究期間内において以下の点を明らかにすることを目的とした. (1)ハイブリッド法による海洋細菌の処理の実証と処理に必要な条件の把握. (2)キャビテーション放電特性と処理特性の取得,および両者の関連性評価。処理メカニズムの検討. 平成20年度では,海洋細菌の殺滅機構として重要である化学的活性種(ラジカル)の生成が,放電条件によってどのように変化するかを調べた.具体的には,インディゴカルミン水溶液を模擬試料水として,その脱色率を測定することによってラジカル生成を評価した.放電条件として,電極間距離,試料水流量,電極配置を変化させた.その結果,上記目的(2)に示した,キャビテーション放電特性に関してその基礎的知見を得ることができた.特に電極配置に関しては,新しい知見を得ることができ,特許出願につながる成果を得た. 本研究期間では,海洋細菌殺滅の実証はできなかったが,キャビテーション放電という新しい放電形態に関して,基礎的データを蓄積したことが大きな成果と言える.その結果は,低コストで簡便な海洋細菌殺滅法の実現の可能性を示唆するものであった.
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