ノートパソコンやロボットなどのモバイル機器用電力源として、量産化に適し高出力化が期待できる、ベローズ型ダイレクトメタノール燃料電池(ベローズ型DMFC)を提案した。ベローズ型DMFCは、中央に円形の小孔をあけた6角形または4角形に形成したMEAを複数蛇腹状に繋ぎ合せ、全体をメタノール容器に浸漬して構成するセミアクティブ型のマイクロ燃料電池である。 平成20年度は、前年度に続けてベローズ型DMFCの実現に向けて、シミュレーションによる空気供給メカニズムの解析と新たなセル構成法の提案、および多セル化を中心に研究を進めた。空気供給法については、3セル構成のモジュールにおいてナビエ・ストークスの方程式に基づくシミュレーションにより、セル入口空気流量および各種空気流路板形状とセル面上の空気流量および酸素質量分率との関係を求め、その最適化を図った。また併せて、電極の外周が6cm×6cmの4角形のMEAを6枚繋ぎ合せた3セル構成のモジュールを製作し、実験により上記シミュレーションの有効性を実証した。空気流路板には8角形の薄膜を用いた。空気流量を1l/分とすることで各MEAの出力特性にはほとんど差異が生じない。これらの結果から、ベローズ型DMFCでは適正な構成とすることでセルを直列に接続した多セル構造においてもばらつきのない十分な出力特性が得られることが明らかとなった。
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