本研究課題の最終年度であり、これまでの実験結果を取りまとめ、Zr-B薄膜のキャラクタリゼーションを整理し、昨年度検討課題であった、Cu表面でのキャッピング膜の可能性を検討した。その結果Zr-B薄膜を堆積する基板によって、その抵抗率が異なる新しい知見を得ることができ、キャッピング膜として興味深い特性が確認された。この原因として、形成されるZr-B薄膜の組織の違いが関係しているものと推察しているが、その根拠について、十分に突き止められている訳ではなく、今後の詳細な検討が必要である。また、次々世代の目標である、3nm厚さの均一なバリヤが、その上に堆積したCuに対し、十分にそのバリヤ機能を果たすことが実験的に確認できた。このことは、選定した化合物薄膜が次々世代の極薄バリヤとして有望な材料であることを示すことができた。これらの成果をまとめて、Appl.Surf.Sci.誌に論文として掲載し公表することができ、当初の目的は十分果たすことができた。
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