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2007 年度 実績報告書

超伝導超格子のテラヘルツ波-磁束量子-電子対相互作用制御とデバイス化への基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560309
研究機関宇都宮大学

研究代表者

大矢 銀一郎  宇都宮大学, 工学部, 教授 (00006280)

研究分担者 入江 晃亘  宇都宮大学, 工学部, 准教授 (90241843)
北村 通英  宇都宮大学, 工学部, 准教授 (90161497)
キーワード酸化物高温超伝導体 / 固有ジョセフソン効果 / 超格子 / 電磁波応答 / 磁束量子 / 量子効果デバイス
研究概要

本研究は層状酸化物高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_yに内在するナノ固有ジョセフソン接合超格子に発現する量子現象および電磁波物性を究明し、量子効果を基盤とするテラヘルツ・デバイスの創出を目的とする。
本年度は、Bi_2Sr_2CaCu_2O_yと共に、同物質より臨界電流密度が数倍高く応用上優れた特性の(Bi_<1-x>Pb_x)_2Sr_2CaCu_2O_yについて、同超格子に発現する磁気的特性および電磁波特性等に関して実験とシミュレーションにより研究を行い、重要な成果を得た。得られた成果は以下のようにまとめられる。
1. 実験研究による成果
(1)固有ジョセフソン接合超格子に平行に磁場を印加してボルテックス(磁束量子)フローを生じさせることにより電磁波を発振させる実験において、ボルテックスの特異な振る舞いが観測された。これは発振特性に直接影響することから、現在、特性の解明を進めている。
(2)高臨界電流固有ジョセフソン接合超格子において、電流磁気によるボルテックス(磁束量子)フローの発生とその支援による電磁波応答(シャピロステップ応答)が可能となることが見出された。これは応用上重要な知見である。
2. 理論研究による成果
(1)固有ジョセフソン接合超格子から実験的に観測された電磁波応答特性について、d波超伝導性を取り入れた新しい積層ジョセフソン接合モデル理論を構築し,それ用いて種々の特性をミュレーションにより検討し明らかにした。
(2)固有ジョセフソン接合超格子におけるジョセフソン・ボルテックス運動について、熱揺らぎの効果を取り入れたシミュレーションにより、実験で観測された特異な特性を再現することに成功した。
さらに、得られた成果の一部は、現在、論文誌へ投稿中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Conditions for observing Shapiro steps in a Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+d> high-Tc superconductor intrinsic Josephson junctions: Numerical calculations2007

    • 著者名/発表者名
      Michihide Kitamura
    • 雑誌名

      Physical Review B 76

      ページ: 064518-1-15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of thermal fluctuations on Josephson vortex dynamics in intrinsic Josephson junctions2007

    • 著者名/発表者名
      Akinobu Irie
    • 雑誌名

      Superconductor Science and Technology 20

      ページ: S18-S22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multijunction SQUID based on intrinsic Josephson junctions2007

    • 著者名/発表者名
      Akinobu Irie
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Applied Superconductivity 17

      ページ: 687-690

    • 査読あり
  • [学会発表] (Bi_<1-x>Pb_x)_2Sr_2CaCu_2O_y固有ジョセフソン接合におけるマイクロ波誘起ステップ2007

    • 著者名/発表者名
      Nurmiza Othman
    • 学会等名
      応用物理学会
    • 発表場所
      北海道工業大学
    • 年月日
      2007-09-04

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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