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2007 年度 実績報告書

金属フタロシアニン添加ナノコンポジット高分子絶縁材料の耐トリーイング性の向上

研究課題

研究課題/領域番号 19560310
研究機関千葉大学

研究代表者

山野 芳昭  千葉大学, 教育学部, 教授 (90134791)

研究分担者 飯塚 正明  千葉大学, 教育学部, 准教授 (40396669)
キーワードLDPE / エポキシ樹脂 / トリー発生電圧 / 添加剤 / フタロシアニン / ナノフィラー
研究概要

本年度の目的は,LDPE(低密度ポリエチレン)とエポキシ樹脂(EP)に金属フタロシアニン(Ph_M)と無機ナノフィラーを添加して作成した芳香属添加ナノコンポジット絶縁材料に関して,耐トリーイング性の向上効果が発揮できる作製条件(金属フタロシアニン金属および無機ナノフィラーの種類,添加量等)を確立することにあった。以下に本年度の研究によって明らかになった事項を示す。
1.LDPEにおける金属フタロシアニン添加効果について,フタロシアニンの中心金属の違いおよび添加濃度の影響を中心に検討を行った。フタロシアニンの中心金属としては,Mg, Ni, FeおよびCuを用いた。実験の結果,Ph-NiとPh_cuがトリー発生電圧の上昇に効果があることがわかった。LDPEに対して0.5wt%〜1wt%のPh_Niの添加でトリー発生電圧は1.2〜1.5倍上昇する。Ph_Cuの添加では同様の濃度で1.5〜2倍程度上昇する。
2.EPにおける金属フタロシアニン添加効果も,中心金属の違いによって異なることがわかった。トリー発生電圧の上昇効果はLDPEより高く,Ph Cuの0.5wt%添加において無添加より2〜3倍程度の上昇が見られた。
3.上記したトリー発生電圧の添加剤依存性(フタロシアニン中心金属の種類への依存性)は,LDPEあるいはEP中に析出する添加剤の形状と大きさに対応している。添加剤が針状あるいは帯状に析出する試料の場合は,トリー発生電圧の上昇はみられない。
4.無機ナノフィラーについては,実験の結果,Al2O3のlwt%添加として,それにph_cuあるいはPh-Niを添加すると,トリー発生電圧は1.5〜12倍程度上昇する。
5.Ph_CuとAl2O3の両方をLDPEに添加すると,トリー発生電圧は2倍以上の上昇が見られ,なおかつ測定値のばらつきがそれぞれを単独に添加した試料と比べて50%程度にまで減少する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] エポキシ樹脂中の電気トリー発生に及ぼすフタロシアニン添加の効果2008

    • 著者名/発表者名
      山野 芳昭
    • 学会等名
      平成20年電気学会全国大会
    • 発表場所
      福岡工業大学
    • 年月日
      2008-03-21
  • [学会発表] エポキシ樹脂のトリー発生特性へのフタロシアニン添加の効果2007

    • 著者名/発表者名
      山野 芳昭
    • 学会等名
      静電気学会全国大会
    • 発表場所
      (独)産業技術総合研究所(つくば)
    • 年月日
      2007-09-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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