研究課題/領域番号 |
19560322
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
宇野 武彦 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (50257408)
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研究分担者 |
野毛 悟 沼津工業高等專門学校, 電気電子工学科, 准教授 (10221483)
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キーワード | 機能性薄膜 / 結晶薄膜 / ニオブ酸リチウム / ルミネセンス / 誘導放出 / シリカガラス / 高温センサ |
研究概要 |
前年度につづき、下記2項目を重点に、研究を進めた。 (1)クリスタルコンタクトエピタクシー法による薄膜方位制御 クリスタルコンタクトエピタクシー法による薄膜形成技術については、汎用性の高いシリカ上の薄膜において光学薄膜および圧電性薄膜の結晶方位の制御を目標としている。これまでに、セリウム置換YIG(Ce:YIG)において結晶方位の制御が可能となり、また、汎用性の高いニオブ酸リチウム(LN)薄膜についても兆候を得た。再現性向上には温度の精密制御、特に適度な温度分布を付与することが有効あるため、温度分布の測定技術に重点をおいて検討した。β相水晶に着目し、その温度特性の精密測定および無電極かつワイヤレスの温度分布計測技術を開発した。これにより、LN薄膜結晶において圧電性を得ることがほぼ可能となった。なおβ相水晶は薄膜材料ではないが、600~1300℃で圧電振動の確認と圧電共振の特性を明らかにし、デバイス構成を提案したことは、重要な成果と考えられる。 (2)シリカ系超構造薄膜 シリカ超構造では、これまでに、石英およびシリコン基板に形成した超構造薄膜により、400nm帯の誘導放出(光増幅)をスラブ導波路において観測しているが、さらにニオブ酸リチウム基板への超構造薄膜の形成技術を立ち上げ、誘導放出を確認した。405nm(紫)および485nm(青)で誘導放出を観測した。また導波路形成技術を確立し導波路でも光増幅の可能性があることがわかった。導波路による散乱損失を小さくする必要がある。さらに、多層構造(超構造)によらず、3種の不純物を混合した状態でドープすることにより、超構造に近い発光が得られる形成条件を求め、誘導放出が確認された。これらの結果、当初の目標であるシリカ系薄膜での光学活性材料としての形成技術はほぼ確立された。
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