研究課題/領域番号 |
19560354
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
面谷 信 東海大学, 工学部, 教授 (80297192)
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研究分担者 |
中村 賢市郎 東海大学, 工学部, 教授 (90056086)
藤川 知栄美 東海大学, 工学部, 講師 (70319375)
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キーワード | 電子ペーパー / 電子書籍 / 電子新聞 / ペーパーライクディスプレイ / リライタブルペーバー / ヒューマンインタフェース / 人間工学 / 可読性 |
研究概要 |
読み易い視覚表示媒体の実現をめざす電子ペーパーの研究として、望ましい表示形式を明らかにすることにより、電子ペーパーの理想像を示すことを目的とした実験的検討を進めた。 現状のディスプレイ作業において文章理解度の低下をもたらし得る要因として、スクロール表示形式の常用を候補としてすでに抽出したが、次なる検討課題として、「文書1ページずつスクロールなしに一覧できれば充分読み易いのか、複数ページを同時に閲覧できるほうがより望ましいのか」という疑問を挙げた。液晶ディスプレイを用いて表示域を計4種類{(a)1/2ページ分呈示しスクロール使用、(b)1ページずつ呈示、(c)2ページずつ呈示、(d)4ページ並列呈示}設け、文章校正作業遂行における作業性比較を行なった。また一方で、媒体の違いによる作業性比較も行った。比較媒体は一般的な紙と液晶ディスプレイに加え、市販の電子ペーパーディスプレイ(Albirey)の3種類を使用(表示域は4ページで統一)した。読みやすい電子ペーパー実現に向け、望ましい表示形式を明らかにすることを目的とし、ページ間を往来参照する用途での作業性について調査した。 実験の結果、異なるページ表示域での比較(作業効率・主観評価)の結果、「スクロール不要のページ全体表示」と「複数ページが同時閲覧可能」という要素は、世代に関係なく読みやすさ向上に繋がることが示唆された。また、異なる表示媒体の比較では、主観評価(見つけ易さ、好ましさ)において紙>電子ペーパー>ディスプレイの順となり、明確な嗜好の差が示され、ディスプレイは、紙・電子ペーパーに比べて、発見率の低下傾向と作業時間の短縮傾向があった。 電子ペーパーは、発見率では紙とほぼ同等で、ディスプレイよりも客観・主観ともに優位であったことから、作業性の点で優れた媒体候補として期待される。
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