研究課題/領域番号 |
19560361
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
前元 利彦 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (80280072)
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研究分担者 |
井上 正崇 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20029325)
佐々 誠彦 大阪工業大学, 工学部, 教授 (50278561)
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キーワード | InAs / AIGaSbヘテロ構造 / テラヘルツ波 / 量子ナノ構造 / トランジスタ / High-k / 量子ポイントコンタクト / バリスティック / 整流特性 |
研究概要 |
1次元伝導チャネルのポテンシャル障壁をゲート電圧によって自在に制御する検知システムを実現するために、デバイス的アプローチとして、InAs/AlSb系高性能トランジスタの製作および高温動作のための絶縁膜プロセス開発とゲートリーク電流の評価を行った。MBE法によって成長したlnAs小AIGaSbヘテロ構造上に、高誘電率材料であるHfO2をゲート絶縁膜としてMIS構造のHEMTを作製した。作製したゲート長1μmの試料の相互コンダクタンスは185mS/mmが得られ、リーク電流も室温で1nAlmm以下とゲート長に関わらず、極めて低いゲートリーク特性を実現できた。 一方、電子のバリスティック伝導性を評価するために、T字型接合構造を作製し、低温から室温までの幅広い温度領域で電流-電圧特性を評価した。印加する電圧の正負に関わらず、負の極性の電圧が得られる整流特性を観測し、スイッチングパラメータによっても評価した結果、室温においてバリスティック性が反映された顕著な非線形性が得られることが判った。 以上、テラヘルツ高感度検出素子の開発を目指して、デバイス的アプローチとナノ加工的アプローチとして2つのデバイスを作製して、lnAs/AlGaSb系ヘテロ接合の有効性を示すことができた。今後は、構造最適化を計りながら検出器構造を設計および製作し、軽量・コンパクトでコヒーレントなテラヘルツ光素子の開発に向けた微細デバイスプロセスへと発展させる。電子輸送特性についても極低温から室温まで詳しく調べ、デバイスの動作特性に関する様々な知見を得る計画である。
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