研究課題/領域番号 |
19560362
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
楠 正暢 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20282238)
|
研究分担者 |
藤巻 朗 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20183931)
斗内 政吉 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (40207593)
|
キーワード | 超伝導 / ナノブリッジ / 単一磁束量子 / インターフェース |
研究概要 |
今回目指すSFQ-光変換デバイスは将来SFQ集積回路と同一チップ上に組み込むことが要求されるため、それを想定した高品質高温超伝導(HTS)ナノブリッジ作製法の検討を行った。従来用いてきた、集束イオンビーム(FIB)を中心としたプロセスから、汎用性の高いレジストプロセスへの改良を施し、SFQ回路の集積化プロセスとの整合を試みた。 HTSナノブリッジを作製する際、加工時に生じる僅かな劣化であっても超伝導特性に影響するため、まず、結晶c軸方向からの酸素原子の拡散を防ぐための保護層の検討を行った。HTS薄膜表面にPt/Auの2重層を用いることにより、電子ビーム露光する際のバックスキャッタによるパターニング精度を落とすことなく、酸素の拡散を防ぐことが可能な保護層を実現することができた。 次に、HTS薄膜の結晶a, b軸方向からの酸素原子の欠損を防ぐために、エッチング時のプラズマに起因する試料の温度上昇を抑制することを目的として、試料ステージの改良を行った。ここでは、エチレングリコールを用いて-20°以下まで強制冷却を行った。 結果として、200nm幅までのナノブリッジで、液体窒素温度における超伝導電流を観測し、レジストプロセスを用いても、HTSナノブリッジの作製が可能であることを示すことができた。さらに同様に作製したナノブリッジへレーザーを照射したところ、電流-電圧特性に変調が見られ、ナノブリッジが光応答することも確認できた。
|