研究概要 |
研究の第一段階として,我々は、非二元LDPC符号に対する新しい復号アルゴリズムを開発した。その目標は、計算量の小さいアルゴリズムとくに,このアルゴリズムで負担の多い領域計算量(メモリ量)の軽減を達成した。このアルゴリズの解析・性能評価を密度発展法に基づき行い,noise threshold を求めた。よく知られるが,非二元では計算量が大きいbelief propagation復号に近い性能を実現している。 研究の第二段階として,より高度な解析をすすめた。解析評価は,q元消失通信路に対して行い,さらに実用的な視点からの評価として二元対称通信路に対して行っている。より基本的な二元元符号に対する評価と比較してアルゴリズムの最適化を進めた。 また,より実践的な非二元LDPC符号として実数体上の低密度のLattice符号を再定義として提案されたものを対象として実際上の性能評価を行った。1000×1000の大きな格子ではメモリ量が,高々3.4%にまで削減でき,復号性能の劣化はほとんど無かった。次元数が100程度の格子符号の場合でも0.2dB程度の劣化であることを確認している。 また非正則LDPC符号の設計のため不均一保護能力に基づく解析などの研究,記憶のある通信路に対する復号アルゴリズムの研究,様々な電子透かしへの応用とそのための高度な復号方法の検討を関連する問題として行った。
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