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2009 年度 実績報告書

逐次検定と乱数生成の情報スペクトル理論

研究課題

研究課題/領域番号 19560372
研究機関早稲田大学

研究代表者

韓 太舜  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80097287)

キーワード情報スペクトル / 乱数生成 / ユニバーサル符号化 / ネットワーク符号化 / 大偏差確率
研究概要

本研究が開始されたのは,Han and Verdu(1992, 1993)によって開始された情報スペクトル的方法」が、情報理論を定常エルゴード性やアルファベットの有限性などの制約から解き放ち、符号化・復号化の漸近最適性を最も自然かつ透明な形で考察するための理論的枠組みとして、一応の成功を見ていた頃である。
本研究がその到達目標としてあげたのは、そのような情報スペクトル的方法に基づいて,逐次検定理論の非定常・非エルゴードな一般論の構築,情報源の無記憶性や独立性などの特殊な条件に強く依存した従来の暗号システム符号化に関する情報スペクトル的一般論の構築,そして,暗号理論や通信システム・シミュレーションなどに重要な役割を果たすユニバーサルな乱数生成に関する一般論の構築であった.しかし,これらの3つの問題はどれも難解で,目標とした最終到達目標の完全な達成は,残念ながら不可能であった.その一方で,これら3つの問題をより深く洞察するための共通の基礎問題である「情報スペルトル的大偏差問題」の解決には成功した.これは,通常のクラーメルの定理やサノフの定理とは異なり,情報源の定常性やエルゴード性を全く仮定せずに導入した「情報スペクトル的上レート関数」が,実は,非常に広い範囲で,従来の意味での大偏差レート関数になっていることを一般定理の形で示したものである.ここでは,従来の常識であったキュミュラント関数のルジャンドル変換やダイバージェンス関数などは全く無縁で,情報スペクトル理論の必殺技である「情報スペクトルの切り出し」が決定的役割を果たすことが判明した.また,従来は1つであったレート関数を上レート関数と下レート関数の2つに分けて考察したのも,この種の問題の非常な一般化を可能にした基本的要因の1つである.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Polymatroids with network coding2010

    • 著者名/発表者名
      韓太舜
    • 学会等名
      INformation Theory and its Applications Workshop
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      2010-02-03
  • [学会発表] 多端子情報システムとポリマトロイド符号化2009

    • 著者名/発表者名
      韓太舜
    • 学会等名
      情報理論とその応用学会
    • 発表場所
      山口宇部, 日本
    • 年月日
      20091200
  • [学会発表] Multicasting of correlated multisource to multisink over a network2008

    • 著者名/発表者名
      韓太舜
    • 学会等名
      SITA(Society of Information Theory and its Applications)
    • 発表場所
      Auckland, New Zealand
    • 年月日
      2008-12-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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