研究概要 |
これまで,オーバレイネットワーク技術に関するさまざまな研究開発が行われてきた.例えばコンテンツ配信におけるホスト間の負荷分散の検討,あるいはホストやネットワークの故障に対応するための高い耐障害性の確保の検討等が行われてきた.しかしながら,これら従来の研究では各ピアは独立にコンテンツ(情報)要求をし,独立にデータ転送が行われることを想定しており,各ピアの行動特性の類似度を考慮したものとはなっていなかった.特にオーバレイネットワークトポロジー構成法の研究開発は充分ではなく,オーバレイネットワークの規模が大きくなるに従い特定ピアへの負荷の集中や実ネットワークにおけるトラヒック負荷の偏りの発生等の問題があった. 上記の問題に対して,本研究ではネットワークの各ピアの行動特性の類似度を陽に考慮したオーバレイネットワークトポロジー構成法の提案を行う.各ピアの行動特性の類似度を考慮してトポロジーを構成することにより,前述のさまざまな偏りを是正し既存技術での問題の解決を目指す.特に,行動特性の類似度の高いピア群をクラスター化することが有効な手段と考えられることから,様々なクラスター化アルゴリズムをトポロジー構成法へ適用し,その有効性を検討する.
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