研究概要 |
広帯域アンテナについて,いくつかの興味ある成果を見出した. 1.マイクロストリップアンテナに広義のメタマテリアルの一種である人工グラウンド構造という周期構造を用いて,6GHz帯に対して24%という広い帯域において円偏波を発生できるアンテナを開発した.この数値まで帯域を広げた低姿勢なアンテナはこれまで例が見られない.一方で,人工グラウンド構造においては,その有効な設計方法.や特性についても,詳しく見出した.また,良く使われるEBG構造では位相速度が大きく広帯域には不具合であるため,EBGのビアを取り除いた構造がふさわしいことを見出した.また,アレー構造についての検討も行い,EBGとの併用によりアレー素子問の相互結合も減らせることを見出した. 2.スロットアンテナの構造であるが,L型プローブとスロットの組み合わせを工夫した新しい構造において,帯域が3GHz帯で40%を超え,さらに十分交差偏波を抑えた構造を開発した.UWB通信等の応用が期待できる.放射方向はオムニ指向性であるが,反射板の退加で単指向性も実現可能である.また,交差偏波を抑え得ることで,広い角度(約90度以上)において円偏波の送受信が可能である.また,キャビティ構造は,その共振が広帯域にはふさわしくないことも見出した.
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