研究課題
P2Pシステムの急激な普及や悪意をもつプログラムの登場などにより、多くの情報がネットワーク上に同意なく流失する事態が続いている。その結果、個々のコンピュータに情報のコピーが分散するので、いったん流出すると、その回収や無効化は極めて困難である。また、流出情報には、著作権のあるコンテンツ、個人のプライバシー情報、企業の内部情報、公的機関の内部情報など、本来外部に流出すべきでないものが含まれている場合があるため、個人レベルから国家レベルの広い範囲に甚大な影響が出る可能性がある。このようなほぼ回収不可能な情報の無効化を目指した技術として、ダミーファイル等を拡散させるポイゾニング技術が、2005年ごろから注目されている。しかしながら、単純なポイゾニングは、ネットワーク全体に対して、大きな副作用があり脅威になることが指摘されている。本年は、先ず、ネットワーク上への流出情報に対する対策技術の整理を行った。次に、P2Pシステムにおける効率的なデータ転送技術に関する考察を行い、P2Pシステムにおける冗長トラヒックを削減可能な新たなデータ収集技術を提案した。この成果の一部は国際会議(ADSN2008)で発表予定である。P2Pシステムにおけるデータ収集とデータ配布は表裏一体のものであり、効率的なデータ収集はデータ提供元から見た場合、効率的なデータ配布(拡散)と見なすことができる。よって、効率的なデータ収集および配布(拡散)技術は、制御対象のファイル情報に似せたダミーファイル等をP2Pシステムに効率的に拡散する際に重要となる。
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Proc.7^<th> International Workshop on Assurance in Distributed Systems and Networks(ADSN2008), (to appear)
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