研究課題
本研究課題では、Mチャンネルフィルタバンクの有効なリフティング構造への変換を示し、これを可逆符号化へ適用し、画像の次世代可逆・非可逆統一符号化の新しい手法を示すことを目的とする。フィルタバンクはポリフェーズ行列で記述され、完全再構成条件は、ポリフェーズ行列のFIR形逆行列の存在性に帰着される。ポリフェーズ行列は幾つかのビルディングブロックと遅延鎖で構成され、これをリフティング構造で実現するために、以下の2つのケースを考える。1)双直交フィルタバンクの場合:完全再構成条件はビルディングブロックが非特異であることであり、行列をLU分解することにより、容易にリフティング構造に変換できる。2)直交フィルタバンクの場合:完全再構成条件はビルディングブロックが直交行列となることであり、行列の変形によりリフティング構造に変換する。初年度は、これらの二つの場合について任意のMチャンネルフィルタバンクをリフティング構造に変換する一般的な手法を確立した。1)の方法については、実現可能な制約条件を明確にし、その範囲で最適なフィルタバンクを設計した。2)については任意の伝達関数をリフティング構造に変換することができることを示し、可逆・非可逆統合符号化の際に最適な性能を示すフィルタバンクを設計した。この時可逆符号化の際には周期拡張しか利用することができず、符号化性能が若干劣化することが判明した。そこで線形位相フィルタバンクを設計し、対称拡張により可逆符号化することが次年度の課題の1つであ。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
IEEE Trans.On Signal Processing Vol.55
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IEEE ICIP 2007 Vol.6
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