研究課題
無線ホストの自律的ネットワーク構成により構築されるアドホックネットワークについては、これまで「つながる」ことを目的として研究が進められてきた。ユーザ間の情報共有空間としてアドホックネットワークを捉えた場合には、単につながるだけでなくユーザが伝えたい情報を効率よく転送する機能が求められる。このような観点から、本研究においては、アドホックネットワークを情報共有空間として提供する際の技術課題である、1.効率的情報伝達技術、2.効率的マルチキャスト実現技術、3.多くの通信を公平にかつ効率的にサポートするトラヒック制御技術について研究を行った。本年度は、具体的に以下の研究成果を得た。(1)効率的情報転送を実現する技術として指向性アンテナを取り上げ、指向性アンテナホストと無指向性アンテナホストが混在する一般的な状況におけるアドホックネットワークのスループット性能を評価した。その結果、指向性アンテナ導入率が80%以下の領域では改善効果はそれほど顕著でなく80%を超えると急激にスループット特性が改善されること、その要因としてルーチング制御情報の影響が多大であることを明らかにした。また、ルーチングプロトコルの影響についても評価を行い、普及率の低い領域ではテーブル駆動型が、普及率が80%を超える領域ではオンデマンド型が適していることを明らかにした。(2)アドホックネットワークにおいてマルチキャスト通信を行う際の輻輳制御方式について検討を行い、セッション内公平性の問題、ならびに代表ノード変動問題がアドホックネットワークにおいては特に大きな問題となることを示した。この問題点を解決する手法として、中継ホストにプロキシ機能を持たせることで、分割された価により明らかにした。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 3件)
Proc.of 7th Asia Pacific Symposium on Information and Telecommunication Techologles (印刷中)
Proc.of 4th International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking (印刷中)
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