研究概要 |
指紋画像上の隆線の渦の中心(コア)や三角州状パターン(デルタ)は指紋の特異点となる。従来法の指紋のコアとデルタの検出精度を劣化させる原因として、指紋隆線の局所的なひずみ、画像のかすれやにじみ等が位置検出、並びに、コアとデルタの誤判別に大きく影響することも明らかになっている。今年度は、指紋画像の特徴点であるコアとデルタの抽出手法を改善し、検出精度を100%に近づけることを目標とした。そこで、本研究では、大局的な隆線情報を解析するために用いた拡張隣接グラフと共に、局所的な隆線方向を解析して諮問特異点となる確立の高い点(候補点)を抽出し、指紋隆線の対極的情報と局所的情報を共に用いて指紋特異点抽出を行う手法を提案する。劣化を含む実際の指紋画像6,400枚(FVC2000,FVC2002)について指紋特異点抽出実験を行ったところ、平均91%の検出率となり、従来法のポアンカレ法や隣接グラフ法よりも高い検出率となることが確認された。
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