本研究の最終的な目的は、連続変数と離散変数が混在するハイブリッドシステムの代表的モデルの1つであるハイブリッドペトリネットの代数的挙動解析(目標と初期の状態の差が固定されたもとでの可到達判定)を行うことである。 初年度(平成19年度)は、まず、時間なし離散ペトリネットの状態方程式の初等的Tインバリアントと基本特解を、状態方程式の拡大システムを考えることによって一括導出する方法の具体化を行った。そこでは、計算手数の増大の問題が顕著になるため、多段分割手法やグレブナー基底による数式処理法の検討が急務であることが明らかになった。 次には、時間なし離散ペトリネットの可到達問題の代数的アプローチの厳密解と近似解を求める基本的な考え方を提案した。 以上の内容は、平成20、21年度の研究推進の基礎事項として役に立つ。
|