研究概要 |
本研究は,医用画像診断としてますます価値を高めつつあるMRIにおいて新たな画像再構成法に関する検討を行うものである.位相拡散フーリエ法の信号は通常のフーリエ変換再構成法だけでなく,フレネル変換を利用した画像処理が可能となる.これにより,従来までの画像再構成処理に比べて,大幅に柔軟性の増した処理が期待できる. [1]超解像を利用した高分解能画像の再生 ・理論的に信号帯域が拡張する機構を解明した.信号帯域の拡張に超解像のアルゴリズムを使用するが,本質的には解析的に実現できる性質があるため,画像の高分解能化は安定し,雑音下でも良好に行えることが明らかとなった. ・数値シミュレーションを実施し,理論的な予測と一致する分解能の改善結果を得た.そして,位相拡散パラメータなどの撮像パラメータとの関連を明らかにすることができた.雑音の有無によって分解能改善特性が変化しないことを確認した. ・撮像実験を行い,本方法が実現可能であること,シミュレーション検討結果と符合する結果が得られ,本法の妥当性を確認した.以上の結果を日本磁気共鳴医学会の論文誌に投稿した結果,採択された.また,本研究は2007年日本磁気共鳴医学会大会にてEポスター優秀大会長賞を受賞した. [2]折り返しアーティファクト問題 ・2種類の折り返し像から1枚の折り返しの生じない画像を再生するパラレルイメージングに本研究を応用した.位相拡散フーリエ法の信号空間に重みを適用する方法と,アンチエイリアス画像に対し重みを加える方法の2通りがあることを見出した.それぞれの方法で得られる画像の分解能についてシミュレーションにより評価を行った. ・実験データに対し,上記の方法を適用し,実験的にも実現可能であることを明らかにすることができた.
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