研究概要 |
医用画像診断としてますます価値を高めつつあるMRIにおいて従来法にない柔軟な処理を可能とする新たな画像再構成法について研究を実施した。汎用の撮像法の変法である位相拡散フーリエ法の信号は被写体関数のフーリエ変換領域にあるが,同時に被写体をフレネル回折によりぼかした画像の様相を呈し,被写体と同じ画像空間に位置するとも考えることができる。信号が被写体の一種のぼけ画像とみなせるので,信号に重みを適用することは画像に重みを適用する効果に近い効果を持つ。よって,撮像後に重みを適用することができ,単一信号でもパラレルイメージングという高速イメージング法のアルゴリズムを適用できる。 ・画像に重みを与える方法には2通りの方法が考案された。いずれの方法でも画像再生が可能であった。フルデータ比にして1/4データ量まで信号量を減らして画像再生を行った。その結果、像の折り返しめ少ない画像は得られた。一方で、データ量に逆比例して折り返された像の分離が不十分となり画質が低下する傾向があった。 ・数値シミュレーションによる分解能評価を行った。分解能には位置依存性があり,中央部が高く,周辺部で低下する傾向があった。また,画像S/Nは,分解能に逆比例した。 ・撮像実験を行い,シミュレーションと同様に画像再生が可能であることを確認した。 ・以上のアルゴリズムにより得られた画像を初期画像として,画質を改善するアルゴリズムを考案した。シミュレーションにより分解能改善を確認できた。
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