研究課題
平成21年度の研究は以下の通り行った。1. 胎児ECGに関する研究胸部と腹部で1本め電極ではなく、複数本の電極によりECG信号を計測する場合に対して、まず複数のチャンネルを有する、初年度に提案した抽出システムの性能改善を行なった。具体的には、システムに取り込むチャンネル数、FIRフィルタ次数、LMSアルゴリゥムのステップサイズの撰択などについてシステムの性能評価を詳細に行なった。その結果、複数の参照信号(胸部ECG)と複数の対象信号(腹部ECG)を採用する事による抽出性能の改善が明らかにされた。またFIRフィルタの代わりにニユーラルネットワークを用いた適応ノイズ(騒音)キャンセラーシステムをも検証した。FIRフィルタを用いた場合に比べで性能の改善が確認できた。ヨーロッパ公開のECGデータベースに適用した結果、提案システムの有効性と優越性が証明された。研究成果の一部は今年度国際会議等で発表した。残りの成果は今後発表予定である。2. ノイズキャンセラーに関する研究ノイズキャンセラーの研究として、今まで行ってきた能動騒音制御(Active noise control : ANC)の研究を、昨年度に比べてさらに前進させた。具体的には、2次経路を最小位相系と最大位相系に分解することにより、2次経路の影響を補償する新たなシステム構成を提案した。このシステムは、従来システムに対して、騒音抑制性能が維持されるにもかかわらず、参照信号のフィルタリングに必要な計算量が大幅に低減できる特徴を有する。成果の一部は国際会議や有名な論文誌に投稿する予定である。
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IEEE Trans.on Audio, Speech & Language Processing (印刷中)
IEEE Trans.on Signal Processing Vol.57
ページ: 2931-2949