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2008 年度 実績報告書

衛星搭載レーダによる豪雨の立体構造推定のための多重散乱波解析

研究課題

研究課題/領域番号 19560430
研究機関東洋大学

研究代表者

伊藤 繁夫  東洋大学, 工学部, 教授 (30223150)

キーワードリモートセンシング / 降雨レーダ / 散乱 / 多重散乱 / パルス
研究概要

本研究では、ビーム形状のミリ波パルスを使って、降雨時におけるパルス散乱特性を、従来の単一散乱理論ではなく、実体により即した散乱理論で散乱現象を解明し、豪雨の立体構造を推定することである。このため、多重散乱理論に基づき、降雨量と受信パルス波形の関係を求めることを目的としている。
前年度において、ミリ波の入射波が横方向に一様である平面波入射ではなく、新たに狭ビーム幅でかつ任意形状のパルス波形を仮定し、降雨散乱の定式化を行ったことを受けて、平成20年度では、実際に多重散乱がどのように影響を及ぼすかについて検討した。最初に、降雨からの受信強度が、散乱マトリックスを方位角方向にモードで展開することにより、空間的な入射ビーム幅に依存する形で求められ、その式から見いだされる定性的評価を行うため、ビームファクターを導入して議論を行い、次に具体的な数値計算を行った。
その結果、二次の散乱項に対する有限ビームサイズの影響は、平面波入射と異なり、ビーム径方向の入射強度の不均一さにより、散乱行列における方位角方向間において、モード間の結合を引き起こすことがわかった。そして、このモード結合の度合いは、ビーム幅と径方向の散乱自由行程に依存することが示された。実際、ビーム幅に相当する衛星レーダのフットプリントが平均自由行程より大きくなると、降雨からの散乱強度は、平面波入射の結果と同じになることが確かめられた。しかしながら、現実の衛星利用の場合でも、必ずしもフットプリントが大きくなるとは限らないため、本研究成果により、初めてフットプリントの多重散乱への依存性を示すことができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Measurement and simulation of the effect of snowfall on free-space optical propagation2008

    • 著者名/発表者名
      M. Akiba
    • 雑誌名

      Applied Optics 47

      ページ: 5736-5743

    • 査読あり
  • [学会発表] 境界面付近の散乱体によるミリ波ビームパルスの散乱実験-理論値との比較-2009

    • 著者名/発表者名
      野口直彦
    • 学会等名
      電子情報通信学会 2009年全国大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2009-03-19
  • [学会発表] 空気中繊維粒子リアルタイムモニタ(ARM)によるロックウール粒子識別法の研究III2008

    • 著者名/発表者名
      橋口孝聖, 廣本宣久, 伊藤繁夫, 横山能周
    • 学会等名
      第69回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      中部大学
    • 年月日
      2008-09-02
  • [図書] 基礎からの電磁波工学2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤 繁夫
    • 総ページ数
      197
    • 出版者
      日新出版

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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