研究課題/領域番号 |
19560435
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山下 裕 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90210426)
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研究分担者 |
中村 文一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (70362837)
西田 豪 (独)理化学研究所, 環境適応ロボットシステム研究チーム, 研究員 (80435669)
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キーワード | 非線形制御理論 / 多様体 / 可縮 / ファイバー束 / モース関数 / 制御リアプノフ関数 / 大域的漸近安定化 / 多重被覆 |
研究概要 |
本年度は、次の事項について研究を行った。 1. 可縮でない多様体を、より単純な多様体で重なりを許して覆うことにより、問題を簡単化する方法について研究した。具体的には、ユークリッド空間で状態空間を被覆可能な条件を明らかにし、その条件のもとでは、拡張された空間上でより単純な制御則が構成可能であることを示した。 2. 動的補償器を用いた多様体上の制御について研究を行った。具体的には、元の多様体と動的補償器の状態空間からなる、より高次元の直積多様体上で考えて、全ての平衡点が1つの物理的状態に射影されるように、設計する方法を提案した。また、入力の数が多く制御リアプノフ関数の条件を無視できる時に、直積空間上でそのようなモース関数を作る方法について考察した。 3. 原点以外の平衡点に近づいた場合、あるルールにしたがって、制御リアプノフ関数に摂動を加えることにより、平衡点に停留しないようにする方法を開発した。このルールの下では原点は大域的に漸近安定化することができる。なお、本手法では、従来必要であった制御リアプノフ=モース関数に対する付加的な条件は不要である。 4. ある多様体を底空間としてその上にユークリッド空間が張り付くようなファイバー束の上を状態が動く場合に対し、底空間に対して考えられた制御則をバックステッピングする方法を明らかにした。ただし、この場合に得られる制御リアプノフ=モース関数はある条件を満たしていないため、上記3の方法との併用が必要である。
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