研究概要 |
今年度は,ハミルトン摂動法を用いたハミルトン・ヤコビ方程式の近似解法について計測自動制御学会論文集へ発表した.さらにこの近似解法の具体的応用研究を進めた.これは,コントロールモーメントジャイロを対象にした.まずこのシステムが可積分であることを示し,運動方程式の一般解を不定積分の形で表現した.しかし,この解は楕円積分にはならず,計算機によって初期値問題の解を与えるプログラムを開発した. 一方,安定多様体理論に基づく近似解法についても成果をまとめ,現在は海外論文誌に投稿中である.この近似解法についても具体的な応用を行い,非常に良い計算結果を得た.すなわち,航空機が失速に近い飛行状態にあるとき,非線形性が強く現れるが,この非線形性を陽に考慮した最適制御則をこの解法によって近似的に求め,従来得られている失速回復限界に比較して,非常に大きな領域で失速を回復することが可能になった.本研究成果については,近日国内で口頭発表を行う予定である.
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