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2007 年度 実績報告書

平常運転時の入出力データによるデータ駆動制御系設計と制御性能監視

研究課題

研究課題/領域番号 19560443
研究機関広島大学

研究代表者

佐伯 正美  広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60144325)

キーワードPID制御 / 制御系設計 / 非反証制御 / データ駆動設計 / 数値最適化 / 線形計画法
研究概要

本研究の目的は、平常運転時のプラントの時間応答を用いて、数式モデルを作成することなく、多変数制御器の設計法を与えることにある。以下の点を明らかにした。
1)フィルタ前処理と反証効果
平常運転時に得られるプラントの時間応答データは、特定の試験信号を使わず、データ数が限られるなどの制約が多い。限られたデータから仮想的に多数の周波数帯域の応答データをバンドパスフィルタにより生成する方法を検討した。特に、バンドパスフィルタの処理を局所的な情報を取り出すのに有効であることが知られているウエーブレット変換と関連付けられることを示し、それに基づき適切なフィルタの選定をおこなった。すでに提案しているPIDゲイン平面に反証領域を描く方法にフィルタ処理された仮想的入出力信号を用いて良好な結果が得られることを確認した。
2)数値最適化による多入出力PID制御器の数値最適化
反証制御による混合感度問題を満たすPIDゲインの集合をパラメータ平面に表示する方法を発展させ、多変数PID制御器に対する数値最適化法を与えた。特に混合感度問題では重みの選定が容易でない面があるので、最大感度制約下で積分ゲインを最大化する問題に対して数値最適法を与えた。入出力応答から直接ゲインが満たすべき制約条件を求め、それは凹制約であるので、それを凸近似することで線形制約を求め、線形計画法で解を求める方法を示した。有効性を数値例で検討し、良好な結果が得られた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] バンドパスフィルタを用いた反証に基づくPIDゲインの調整2007

    • 著者名/発表者名
      佐伯 正美
    • 雑誌名

      システム制御情報学会論文誌 20

      ページ: 347-354

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Properties of stabilizing PID gain set in parameter space2007

    • 著者名/発表者名
      Masami Saeki
    • 雑誌名

      IEEE Trans. on Automatic control 52

      ページ: 1710-1715

    • 査読あり
  • [学会発表] MIMO PID controller design for model-free loop-shaping problem2008

    • 著者名/発表者名
      Masami Saeki
    • 学会等名
      計測自動制御学会制御部門大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-03-05
  • [学会発表] Design of Multivariable H-infinity PID controller using frequency response2007

    • 著者名/発表者名
      Masami Saeki
    • 学会等名
      16th IEEE Int. Conf. on Control Applications
    • 発表場所
      Singapore
    • 年月日
      2007-10-03
  • [産業財産権] 多変数PID制御器設計法2008

    • 発明者名
      佐伯 正美
    • 権利者名
      佐伯 正美
    • 産業財産権番号
      特願2008-038455
    • 出願年月日
      2008-02-20
    • 外国

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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