研究課題/領域番号 |
19560452
|
研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
忻 欣 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (70293040)
|
研究分担者 |
兼田 雅弘 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (50033238)
|
キーワード | 劣駆動システム / 非線形制御 / ロボット / エネルギー制御法 / アクロバットロボット / 多自由度システム / 安定性解析 / 振り上げ制御 |
研究概要 |
劣駆動ロボットでは、アクチュエータの数が全駆動システムに比べて少なくて済むため、コスト、重量、信頼性の点で優れている。そのため、宇宙、深海などでの極限作業ロボットのみならず、今後は家庭での作業ロボットなどの開発においても非常に期待されている。2自由度劣駆動ロボットに関しては、理論と実機両面からよく研究されている。しかし、多自由度の劣駆動ロボットは、応用のニーズがあるにもかかわらず、その姿勢制御に関する解析、設計理論の進展は遅く、実際的に有用なものは存在しないのが現状である。 本研究では、多自由度劣駆動ロボットに装備する複数のアクチュエータを協調駆動させることのできる制御系を設計・解析することを目的とし、本年度の主な研究成果としては、以下のものを挙げる。 1.多自由度劣駆動ロボットの代表例である鉄棒運動をする体操選手の3リンクモデルとしての関節1が非駆動、関節2、3が駆動のロボットを対象とし、設計・解析法のまだ確立されていない振り上げ制御問題を扱う。このロボットの固有のダイナミクスや平衡姿勢の構造を利用し、リンク2とリンク3を1つの仮想合成リンクと考え、それに基づく2つの駆動関節の角度に関する座標変換を用いることで、その振り上げ制御系の設計・解析に国内外で初めて成功している。 2.垂直平面における根元関節のみが非駆動であるn自由度ロボットを対象とし、その振り上げる制御則の設計とその動きに関する大域的解析を目的とする。そのロボットの固有のダイナミクスを利用し、n-1本の仮想的な合成リンクを設計し、それらに基づく座標変換を用いることで、その振り上げ制御系の設計・解析に国内外で初めて成功している。2、3リンクの劣駆動ロボットの振り上げ制御に関する従来の結果は本研究の成果の特例であることを示すとともに、多自由度の劣駆動システムの制御系の設計・解析に新たな糸口を与えている。
|