研究概要 |
最適平滑化スプラインの理論とアルゴリズムに関して以下の研究を実施し,成果を学術誌論文3編,国際会議論文5編として公表した. (1)制約条件付き最適スプラインの設計:1変数の場合について,様々な等式,不等式の制約条件を伴う最適平滑化スプラインの設計理論およびアルゴリズムを導いた.また,その応用として,位置,速度,加速度に制約を受けるロボットの軌道計画を始め,確率密度関数(関数値が0以上,積分値が1)や矩形の不連続関数(関数値が0以上,1以下に制約)の近似などに適用し,有用性を確認した.研究はほぼ計画通りに進み,さらに2変数の場合への拡張もできると考えている. (2)多変数最適スプラインの設計:2変数(曲面)の場合に対する理論と応用の課題に取り組んだ.特に周期スプラインの設計理論を展開し,応用としてクラゲのデジタル動画像からの運動形状モデリングをおこなった.また最適スプラインとダイナミックフォントモデルをベースとし,ペンタブレット実験装置を用いた文字の学習システムの構築と実験を行った.その際,認知心理学の分野で得られている視覚誘導場を導入し,得られた文字の美的評価も行った. (3)多階層最適スプラインの設計:多階層平滑化スプラインによってエルミート補間に対応する(すなわち関数値のみならず微分係数のデータまで考慮する)平滑化曲線を設計する研究を実施した. プロトタイププログラムライブラリの開発をめざし,Bスプラインと動的スプライン,1変数と2変数,の各課題に対して作成してきたスプライン設計プログラムおよび応用プログラムを整理した.
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