研究課題/領域番号 |
19560457
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
坂井 悦郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90126277)
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研究分担者 |
大場 陽子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50223938)
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キーワード | 廃棄物利用 / 品質検査 / 流動性 / セメント / 水和熱 / 反応速度 / 断熱熱量計 / 検査システム |
研究概要 |
廃棄物処理量が増大したセメントの受け入れ時における検査システムを構築するための要素技術の開発を行う。本システムは、セメント工場での品質管理システムとして利用できることは言うまでもないが、あくまでコンクリートを製造するその場での検査が簡便に行えることを目標として開発している。流動性と関連して重要であるC_3Aに基づくセメントの注水直後の初期水和の測定が、実用されている水セメント比でも可能な熱量計を開発し、流動性と注水直後の水和反応の関連を明らかにした。従来の装置では、水セメント比を0.5以下の領域までの測定はできない。攪拌機構の工夫により、水セメント比が0.3程度までの測定の可能性な装置を開発し、セメントプラントで実際に製造されているセメントについて、高性能AE減水剤や高性能減水剤を添加したセメントの初期水和と流動性の関係を明らかにした。アルミネート相の多いセメントの場合には、水和物中に分散剤が取り込まれ、それが流動性の向上に寄与しないことを分散剤の分子構造との関連で定量的に明らかにした。これらと水和熱の関係より、このシステムを用いることにより、受け入れ時のセメントにおける初期水和熱を測定すれば、高性能減水剤や高性能AE減水剤の相性や最適添加量が予測され、コンクリートの流動性制御が可能となるものと思われる。 試料量が10g程度での断熱温度上昇量が測定できるような高精度断熱熱量計を開発した。従来の測定装置では、最も小さくても、φ10×20cm程度の大きさの試料が必要であり、検査に簡便に利用しようとするような装置ではなかった。しかし、本研究では、フィルムケース程度の試料での測定が可能なようにした。なお、従来の断熱温度上昇装置や断熱熱量計によるコンクリートの断熱温度上昇量との関係により、同程度の温度上昇の履歴をうける条件での評価を行う必要があり、そのための試験を行う最適なセメントと砂比を決定した。
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