研究概要 |
平成20年度の研究実績は以下に示す通りである. (1) 再生骨材からのアルカリ溶出量と再生骨材のアルカリシリカ反応性の判定法の検討 再生骨材の物理・化学的性質と再生骨材からのアルカリ溶出性状がモルタル及びコンクリートのASRに及ぼす影響を検討した結果,再生骨材中のASRゲルから溶出するアルカリによってASRが促進することが明らかになった. (2) 再生骨材を使用したコンクリートのASRによる膨張性状の検討 コンクリートのアルカリの種類(NaCl添加またはNaOH添加)とその量を種々に変化させたコンクリートバーを作製し,湿気槽養生(温度40℃,湿度100%)と飽和NaCl溶液浸せき養生(温度50℃)の2条件にて,安山岩砕石を原骨材とする再生骨材コンクリートの膨張試験を実施することにより.再生骨材を使用したコンクリートのASRの発生条件の特徴とベシマム混合率との関係を明らかにした. (3) 原骨材のASR性状が再生骨材コンクリートの膨張性状に及ぼす影響の検討 建設後約30年が経過したASR劣化構造物から製造した再生骨材における原骨材の影響に関して,能登産の安山岩砕石からの再生骨材は反応領域が骨材界面から1〜2mm程度に限定されていたが,常願寺川産の川砂利からの再生骨材は安山岩粒子の内部まで反応が激しく進行していた.このため,再生骨材のASR試験及び再生骨材コンクリートの膨張試験の結果より,再生骨材のアルカリシリカ反応性は原骨材の種類とその反応性(能登産の安山岩砕石および常願寺川産の川砂利)により相違し,それらは促進養生条件下での再生骨材コンクリートの膨張性状に大きな影響を及ぼした.
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