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2008 年度 実績報告書

鉄鋼スラグ水和固化体の高性能化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560461
研究機関岡山大学

研究代表者

綾野 克紀  岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (10212581)

キーワード鐵鋼スラグ水和固化体 / 製鋼スラグ / 高炉スラグ / 耐久性 / 中性化 / 塩化物イオン / 強度
研究概要

鉄鋼スラグ水和固化体の強度は,水粉体比の他に,練混ぜ直後のpHにも依存する。また,鉄鋼スラグ水和固化体の耐中性化および耐鉄筋腐食性は,製鋼スラグのアルカリ性によって,長期にわたって高い性能をもつ。このように,鉄鋼スラグ水和固化体は,通常のコンクリートと同程度の性能が発現可能な,副産物を利用した建設材料であるが,使用するスラグ骨材の品質によっては耐久性,とくに凍結融解抵抗性と乾燥収縮に対するひび割れ抵抗性が劣る場合がある。鉄鋼スラグ水和固化体の性能を改善することを目的に,吸水率を下げた溶銑予備処理スラグを骨材として使用し,鉄鋼スラグ水和固化体の硬化後の性能に及ぼす影響を実験により確認を昨年行った。その結果によれば,吸水率の低い溶銑予備処理スラグを用いれば,エントレインドエアが連行されやすくなり,耐凍害性は,著しく改善されること,また,乾燥によって生じるひずみの大きさも小さくなり,乾燥によるひび割れも生じにくくなる。しかし,この方法では,溶銑予備処理スラグの吸水率を下げる工程において多大なエネルギーを要することが問題となる。これらの結果に基づき,本年度は,下記のテーマに取り組んだ。
1.耐酸性鉄鋼スラグ水和固化体の開発
今後5〜10年先,下水道コンクリートの酸による劣化は加速度的に増大すると考えられており,耐酸性材料の開発は急務の課題である。鉄鋼スラグ水和固化体はセメントを全く使用していないため,酸性環境に弱い水和生成物であるエトリンガイト(3CaO・A1203・3CaS04・32H20)や二水石膏(CaS04・2H20)が少なく,耐酸性に優れることが推測できる。そこで,鉄鋼スラグ水和固化体の耐酸性についての性能を実験により把握し,耐酸性材料としての利用について検討を行った。
2.鉄鋼スラグ水和固化体の耐久性の確認
鉄鋼スラグ水和固化体の耐凍結融解抵抗性,塩分浸透性,耐硫酸塩抵抗性,中性化および収縮に,製鋼スラグの吸水率,密度,カルシウム含有率等が及ぼす影響を整理し,本課題で開発を行う耐凍害性に優れる鉄鋼スラグ水和固化体および有筋部材へ適用可能な鉄鋼スラグ水和固化体が,従来の鉄鋼スラグ水和固化体に比較して,各々の性能が向上するメカニズムを説明できる構成式を検討した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 細骨材の種類が鉄鋼スラグ水和固化体の耐久性に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      藤井隆史, 春田正一, 綾野克紀, 阪田憲次
    • 雑誌名

      コンクりート工学年次論文集 Vol. 30

      ページ: 493-498

    • 査読あり
  • [雑誌論文] モルタルの耐硫酸性に細骨材の種類が及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      綾野克紀, 小河内誠, 藤井隆史, 入矢桂史郎
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集 Vol. 30

      ページ: 559-564

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高炉スラグを用いたモルタルの耐硫酸性に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      藤井隆史, 小河内誠, 綾野克紀, 阪田憲次
    • 雑誌名

      コンクリート構造物の補修, 補強, アップグレード論文報告集 Vol. 8

      ページ: 65-70

    • 査読あり
  • [学会発表] Drying shrinkage of steel-making slag concrete2008

    • 著者名/発表者名
      T Fujii, T Ayano, K Sakata
    • 学会等名
      Proceeding on 33rd Conference on Our World In Concrete &Structures
    • 発表場所
      シンガポール
    • 年月日
      2008-08-27
  • [備考]

    • URL

      http://cone.civil.okayama-u.ac.jp/lab/cgl/s_data/s_data/index.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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