研究概要 |
我が国にはダムや橋脚,防波堤,桟橋および岸壁など多くの鉄筋コンクリート製の水理構造物が存在する。水中でのコンクリート構造物は,各種要因によって表面から徐々に劣化することが知られている。淡水中ではコンクリート内部からの水酸カルシウムの溶出,海水中では各種塩類の浸透によって水酸化カルシウムの溶出による多孔質化,エトリンガイトの生成による膨張などが考えられる。これらの水中に設置されているコンクリート構造物の調査は,水中ということもあって従来ほとんど行われていないのが現状である。 そこで本研究では水密を施したリバンドハンマーおよび超音波伝播速度測定器などを用いて,水中でのコンクリート構造物の非破壊試験検査手法を確立することを目的とする。 平成19年に実施した研究 1.水中リバウンドハンマー試験機を用いた水中に設置されたコンクリートの非破壊試験に関する研究耐食性、耐圧製および水密性のハウジングを作製し、これと市販のリバウンドハンマーを組み合わせることによって、水深20mまでのコンクリート表面の反発硬度を測定することが可能となった。これによって水中でのコンクリートの推定圧縮強度を測定することが可能となった。 2.水中超音波伝播試験機を用いた水中に設置されたコンクリートの非破壊試験に関する研究完全に防水した超音波発振子・受振子を作製し、表面法によってコンクリートの縦波伝播速度を測定すること那可能となった。 3.水中リバウンドハンマー試験と水中超音波試験を複合したヌンクリートの非破壊試験に関する研究反発硬度と水中超音波法によって求めた縦波速度から精度の良い圧縮強度の推定が可能となった 4.長年月水中に晒されたコンクリートの非破壊試験に関する研究長年月水中に晒されたコンクリートの反発硬度とコンクリート表面の縦波速度を求め、複合法により推定圧縮強度を求めた結果、コア圧縮強度と相関が認められた。
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