研究課題/領域番号 |
19560479
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大賀 水田生 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (80116912)
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研究分担者 |
中畑 和之 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (20380256)
谷脇 一弘 福井工業大学, 工学部, 准教授 (60207199)
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キーワード | MEMSセンサ / 加速度計測 / EFIT(動弾性有限積分法) / ZigBee / 無線データ転送 |
研究概要 |
本研究の目的は、MEMS加速度センサを土木構造物の部材要素の複数点に添付し、そこから得られる振動波形のモニタリング情報から、部材の大まかな損傷位置・程度を同定する技術を開発することである。本年度は(1)移動音源による部材の振動シミュレーションのための数値モデルの作成、(2)MEMS加速度センサの開発・検証を行った。 (1)構造物の振動を時刻歴応答として解析するシミュレーション技術を構築した。構造物の外形や構成部材の材料定数をできるだけ厳密にモデルに取り入れるために、イメージベースモデリングと動弾性有限積分法(EFIT)を組み合わせた解析法を採用した。要素分割はピクセル・ボクセルデータを用いて容易に作成できるため、複雑形状の構造物の振動解析が前処理に時間をとられることなく可能となった。 (2)MEMS加速度センサは、本来、自動車のエアバックセンサー等の用途で1G以上の大きな加速度レンジで用いるように開発されたものである。しかし、土木構造物の振動は、たかだか数百gal程度の小さな加速度領域であるため、この領域でも分解能を維持できるかについて実験を行った。この結果、数十gal程度の揺れでも精度良く加速度をピックアップできることがわかった。また、本センサにはZigBee規格に基づいた無線データ転送機能を付け加えた。ZigBee規格ではデータが転送量に上限があるが、土木構造物の振動(数十Hz)を計測するのに十分な時間分解能を有するデータが転送可能であることがわかった。また、データ転送距離は互いに見通しできる場所で50m程度は安定してデータが転送可能であることがわかった。
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