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2009 年度 実績報告書

P-S波変換地震動のH/V特性による広帶域ローカルサイト効果の解明と設計への導入

研究課題

研究課題/領域番号 19560485
研究機関東北工業大学

研究代表者

神山 眞  東北工業大学, 工学部, 教授 (50085461)

研究分担者 松川 忠司  東北工学大学, 工学部, 助手 (00165789)
キーワード地震 / P-S変換波 / ローカルサイト / アレー強震観測 / 2008年岩手・宮城内陸地震 / 加速度,速度,変位 / 長周期 / 表面波
研究概要

20観測ステーションの地震動データをリアルタイムに自動回収するSmall-Titanという東北工業大学のアレー強震観測システムを継続的に運営した。また,K-NETによる2008年岩手・宮城内陸地震の本震および余震の強震記録を前年度に続き解析した。特に,今年度は広帯域ローカルサイト効果の解明という本研究課題の目的に合わせて長周期帯での増幅特性を明らかにすべく速度,変位記録による解析に重点を置いた。2008年岩手・宮城内陸地震による変位記録の東北地方における動的な時・空間分布解析を行った。この結果,長周期帯域での増幅は平野,盆地部で大きいのみならず,山間地でも増大すること,その原因として火山活動によるカルデラの存在が明白となった。さらに,仙台市圏という都市レベル領域での変位に関する考察をSmall-Titanによる多くの地震による記録を用いて詳細に行った。この結果,従来知られていた知見に反して,仙台市圏では沖積層よりも洪積層領域で変位が大きくなること,これが深さ1.2kmに基盤をもつ深部不整形地盤構造により二次的に生成される表面波(Love波)によるものであることが明らかにされた。
以上の強震記録の観測結果による考察に加えて,不整形地盤による理論地震応答計算を擬似スペクトル法により進めた。ここでは上記の仙台市圏における観測記録による考察結果を受けて,仙台市圏における深部不整形地盤を対象として応答シミュレーションを試みた。さらに,これらの応答シミュレーションを応用して,仙台市圏における深部地盤構造の同定を行った。この結果,仙台市圏はS波速度V_s=4km/sの基盤の上に厚さ1.2kmでS波速度Vs=1.4km/sの洪積層が堆積する地盤構造を有して,この洪積層厚が沖積層地では急激に薄くなり,長周期帯域での増幅特性を特徴づけていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] アレー観測強震観測システムを利用したローカルサイト増幅に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      神山眞, 松川忠司, 片岡俊一
    • 雑誌名

      土木学会地震工学論文集 第30巻

      ページ: 38-51

    • 査読あり
  • [学会発表] 地震と地震動-東北地方で考える-2009

    • 著者名/発表者名
      神山眞
    • 学会等名
      日本大気電気学会
    • 発表場所
      東北工業大学(仙台市)
    • 年月日
      2009-07-02
  • [図書] 平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震災害調査報告書2009

    • 著者名/発表者名
      神山眞(代表)
    • 総ページ数
      404
    • 出版者
      平成20年岩手・宮城内陸地震4学協会東北合同調査委委員会
  • [備考]

    • URL

      http://smweb.tohtech.ac.jp/kamiyamalab/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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