研究概要 |
平成20年度においては,不安定挙動を表現するための弾塑性モデルの検証と流動メカニズムに対する実験を中心に研究を進めた。 弾塑性モデルとしては,状態変数を用いて密度・高速圧依存性を表現するモデルの様々な経路における挙動,安定性,異方性の影響等について,検証を行った。その結果,不安定挙動の再現を可能とするモデルであることが確認できた。また,このモデルを不飽和状態の土や特殊土の挙動の再現に用いることの可能性についても検討した。このモデルについては,繰返し載荷時,初期異方性,応力誘導異方性を取り入れた汎用性の高いモデルとし,安定的な挙動ばかりでなく,不安定なひずみ軟化挙動への適用性が高いことを確認した。 流動メカニズムについては,豊浦標準砂,珪砂,丸棒等を利用して,安息角の実験,ホッパーの流動試験を行い,密度が比較的高い粒状体の流れにおいては,粒子間力を効率的に伝達する柱構造の発生と消滅が流れの特性を支配し,発生が卓越する条件では,流動する速度が著しく減少することを確認した。 液状化後の砂の堆積構造が必ずしも密な状態ではないことを考慮して,水中を落下させた砂と上向き浸透流によりクイックサンドを生じ,堆積構造を一端壊した砂の両者について,小型ベーン試験を行い,後者においては,模擬地盤の全体の密度は増加するものの,抵抗が小さい層が存在することを実験により確認した。
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