研究概要 |
平成19年度の科学研究費補助金で購入した『中型供試体用一面せん断試験機』を使用して,初めに(1)浚渫土砂(湖沼底泥・海砂)-廃石膏ボード粉混合材料および(2)浚渫土砂-廃石膏ボード粉-セメント系固化材混合材料のせん断応力τ-せん断変位δ曲線からせん断強さτ_fを求めた.ここで(1),(2)における湖沼底泥,海砂,廃石膏ボード粉の配合割合は乾燥質量比1:1:1であり,また,(2)のセメント系固化材添加率は10%または20%,養生期間の最長は14日とした.τ_fは,垂直応力σや養生日数にともなって増加することが判明した.引き続き,(3)ジオテキスタイルで包んだ供試体のτ_fを測定中である. 上記の一面せん断試験と並行して,“原材料の安全性を担保"する目的から廃石膏ボード粉に含まれるふっ素(>土壌環境基準0.8mg/l)の不溶化処理に着手した.具体的には,廃石膏ボード粉に酸化マグネシウムまたは水酸化カルシウムを添加(乾燥質量比で5〜20%)・混合した後,密封状態で20℃に調節した恒温器内に最長で56日間静置したときのふっ素溶出量をJIS K 0102 34.1の方法で調べた.現時点で得られている知見としては,廃石膏ボード粉にそれの質量の1/2に相当する水を加えた上で酸化マグネシウムを添加する方が溶出抑制効果は大きい.この件に関しては,21年度も配合・分析を継続する. さらに,将来の廃棄物中間処理施設構内での実地検証(研究期間終了後に実施する可能性をも含む)に備えて,試験施工予定箇所の地盤支持力を平板載荷試験およびインパクト値I_aの計測を行って調べるとともに,採取した土の土質試験ならびに蛍光X線分析を行った.
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