研究概要 |
1.福井市の足羽川より発掘された丸太の健全度調査 足羽川の橋梁架け替え工事の際に河床より発掘された丸太の健全度調査を行った.評価方法は目視による腐朽度評価,木材試験機ピロディンによる貫入試験,縦圧縮試験の3通りであり,既往の研究により明らかとなっている木材腐朽の目安となる値や設計基準強度と比較した結果,いずれの丸太も河床面以下の部分に関しては健全であることを明らかにした. 2.丸太打設による地盤の液状化対策効果に関する模型振動実験 土槽内に丸太模型を設置した飽和砂地盤を作製し,丸太の打設する間隔と杭頭の固定状況をパラメータとして模型振動実験を行った.その結果,丸太打設による地盤の置換効果,締固め効果,せん断変形抑制効果により,過剰間隙水圧の早期消散効果と地盤沈下抑制効果が得られることを明らかにした. 3.1964年新潟地震において液状化地盤に存在した木杭基礎の調査 新潟地震の震害資料を収集・整理し,新潟駅における木杭の打設状況と液状化被害の関係を調査した.その結果,木杭の打設されていた駅舎の被害が最も軽微であったことを明らかにした. 4.木材の長期地中保存技術の検討 地下水位変動域における丸太の腐朽メカニズムを検討するため,防腐処理の有無や周辺地盤の土質や締固め度をパラメータとした腐朽促進試験を実施し,地下水位を変動させた場合の腐朽の進行をモニタリングした.丸太の抜き取り調査を行った結果,腐朽の進行が遅く,腐朽菌を追加してさらにモニタリングを継続することとなった.
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