研究課題/領域番号 |
19560505
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
八戸 昭一 埼玉県環境科学国際センター, 地質地盤・騒音担当, 専門研究員 (70415397)
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研究分担者 |
石山 高 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 主任 (80297621)
佐坂 公規 地質地盤, 騒音担当, 主任 (80415398)
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キーワード | 自然由来重金属類 / 地理情報システム / ペネ試料 / 蛍光X線分析 / ストリッピングボルタンメトリー / 土壌汚染 / ヒ素 / 鉛 |
研究概要 |
土壌汚染対策法の施行以来、ヒ素や鉛など重金属による土壌汚染の発覚するケースが急激に増加している。そのうち多くの場合が自然由来と想定されるが、人為的汚染との判別は難しいというのが現状である。そこで、本研究では土壌や地質中の重金属含有量等に関するデータベースの実現可能性を検討した。 本研究の構成は、(1)土壌・地質試料の収集・採取及び各種分析、(2)既存地質試料の環境調査への利用可能性評価、(3)テストフィールドにおけるシステムの実用化である。今年度は(1)を中心に検討した。まず、システムに格納する基本コンテンツとして28地点(当初目標20地点)のペネ試料を収集し、さらに実地盤を対象とした予備掘削調査(オールコア15m深)を実施した。また、システムの基礎情報である波長分散型蛍光X線分析による全量試験(乾式分析)と公定法の溶出・含有量試験(湿式分析)による分析スキームを確立し、特に乾式分析については蛍光X線分析による分析条件の最適化を実施した。分析項目はシリカやアルミナなど土壌・堆積物中の10種の主成分元素及びヒ素・鉛とし、複数機関が頒布している16種の土壌・堆積物標準試料による絶対検量線法を採用することとした。その結果、10種の主成分元素については測定スペクトルをX線強度が最大もしくはそれに準ずるものを採用することにより、確度の高い検量線が作成された。一方、ヒ素や鉛については各々の最大スペクトルが重なるため、鉛の測定スペクトルを変更し、ヒ素については鉛のX線強度に応じた回帰計算により補正した。その結果、両元素とも良好な検量線が作成された。作成した検量線に基づく分析精度を検証するため、ヒ素と鉛の双方を含有する試料を対象として本手法による分析値と底質調査法に基づく全量分析値を比較した。その結果、両者は良好な相関をとり、定量・検出下限とも十分な結果が得られることを確認した。
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