研究課題/領域番号 |
19560505
|
研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
八戸 昭一 埼玉県環境科学国際センター, 地質地盤・騒音担当, 専門研究員 (70415397)
|
研究分担者 |
石山 高 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 専門研究員 (80297621)
|
キーワード | 自然由来重金属類 / 地理情報システム / ペネ試料 / 蛍光X線分析 / ストリッピングボルタンメトリー / 土壌汚染 / ヒ素 / 鉛 |
研究概要 |
本研究では自然地層や土壌中に含まれる重金属類の賦存状態を評価することを目的とした新しい地盤情報システムの実現可能性を検討した。 まず、埼玉県内の各県土整備事務所等に長期保存されているペネ試料の環境調査での利用可能性を評価するため、同一地点で採取した掘削直後の試料と掘削後約10年が経過したペネ試料の全含有量及び溶出量を比較した。その結果、重金属類や主要化学成分は時間の経過によってほとんど変化がなく、ペネ試料は環境調査で十分利用できることが判明した。一方、特にヒ素の溶出量は時間経過により大きく低下していた。これは長期保存により試料中の酸化鉄の化学形態が2価から3価へと変化し、ヒ素が酸化鉄に吸着されたためと推察された。以上のことから、全含有量値は長期に保存されているペネ試料であっても環境調査に利用可能であることが判明した。 次に、埼玉県内の公共工事に関連する約4300本のボーリングデータについてインターネットを通じたデータベースのウェブ公開を実施した。データ公開にはウェブGIS上を使用し、システムのベースマップ上で示されるデータポイントをヒットすることにより各ボーリングデータの柱状図等の情報について一般ユーザが自由にデータを閲覧できるようになった。 最後にデータベースの応用例として、ヒ素含有土壌の自然由来/人為汚染の判別法について検討した。乾式分析によって計測されたヒ素と硫黄の全量比率を利用することによって、陸成層と海成層を明瞭に区別することができた。さらに、低濃度に汚染された土壌についても未汚染土壌と区別することができた。
|