• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

画像解析手法を用いた地下水流動場の連続流向流速測定技術の確立と測定システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19560506
研究機関飛島建設株式会社防災R&Dセンター技術研究所

研究代表者

小林 薫  飛島建設株式会社技術研究所, 副所長 (80443638)

キーワード地下水工学 / 画像解析 / 地下水流動 / 流向流速測定 / 地下水モニタリング / モニタリングシステム / 連続測定 / 地盤工学
研究概要

画像解析手法を用いて地下水流の流向流速を連続的にモニタリングできる連続式流向流速計の浮きセンサと本体部との接続治具に改良を加え,大型水槽で3種類の浮きセンサ((1)径=10mm,長さ=140mm,(2)径=10mm,長さ=215mmおよび(3)径=15mm,長さ215mm)を用いた室内実験を基に,その適用性と測定精度について検証した。その結果,次のことが明らかになった。1)浮きセンサ頭部の移動量は,移動速度が1×10^<-3>m/sより速くなると,各ケースとも徐々に移動量が急増することがわかる。この傾向は,浮きセンサの径が太く,長さが長くなるほど顕著である。2)移動速度が1×10^<-3>m/s以上では,速度変化に伴う浮きセンサ頭部の移動変化量が大きく,1×10^<-3>〜1×10^<-2>m/s程度の範囲では地下水流速を比較的精度良く測定することが可能である。3)移動速度が1×10^<-4>〜1×10^<-3>m/s未満の範囲については,速度変化に伴う浮きセンサ頭部の移動変化量が小さく,今回用いた浮きセンサの大きさの範囲では,浮きセンサ頭部の移動量の算定誤差が流速算定時の精度に大きな影響を及ぼすことがわかった。このことから,1×10^<-3>m/s未満については,地下水流速にあわせて適切な浮きセンサを選定し測定することが必要であることがわかった。4)連続式流向流速計の浮きセンサの傾斜方向は,検証実験では移動速度の違いによる差はなく,全方向ともほぼ正確な方向に浮きセンサが傾斜することを確認した。このことは,実験時に採用した下端部ヒンジ構造が任意方向の地下水流の流向測定に対して十分な機能を発揮したものと考えられる。5)新たに開発した連続式流向流速計を用いた測定により,ボーリング孔内で地下水流向流速を複雑な後処理計算等も必要とせず,簡易かつ連続的に地下水モニタリングできることを明らかにした。また,実機に近いプロトタイプの実用的な連続式流向流速測定システムを構築した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 画像解析手法を用いた地下水流動場の連続的な流向流速モニタリング2009

    • 著者名/発表者名
      小林薫, 熊谷幸樹, 松田浩朗, 金内昌直
    • 雑誌名

      地盤工学ジャーナル Vol.4 No.1

      ページ: 117-124

    • 査読あり
  • [雑誌論文] テレビカメラを用いた地下水流動場の連続的流向流速の可視化2009

    • 著者名/発表者名
      小林薫, 熊谷幸樹, 松田浩朗, 松元和伸
    • 雑誌名

      地盤工学会誌 Vol.57 No.5

      ページ: 16-19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 連続式流向流速計を用いたSMW施工前の地下水流向流速測定2008

    • 著者名/発表者名
      阿部秀一, 日野宣隆, 光岡昭彦, 坂野勇二, 小林薫, 松田浩朗, 他
    • 雑誌名

      とびしま技報 No.57

      ページ: 122-123

    • 査読あり
  • [学会発表] 大型水槽を用いた室内実験による連続式流向流速計の適用性検証2008

    • 著者名/発表者名
      小林薫, 松田浩朗, 熊谷幸樹, 松元和伸, 阿保寿郎, 金内昌直
    • 学会等名
      日本地下水学会
    • 発表場所
      九州大学医学部百年講堂
    • 年月日
      2008-11-20
  • [学会発表] 地下水流動場の連続流向流速測定技術の開発-浮きセンサー下端部機構について-2008

    • 著者名/発表者名
      小林薫, 松田浩朗, 松元和伸, 熊谷幸樹, 阿保寿郎, 本山寛
    • 学会等名
      (社)地盤工学会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      2008-07-11
  • [産業財産権] 地下水流動測定装置2009

    • 発明者名
      小林薫, 熊谷幸樹
    • 権利者名
      飛島建設株式会社
    • 産業財産権番号
      特許権特願2009-020217
    • 出願年月日
      2009-01-30

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi