ダム流入・放出有機物の河川生物供給動態の解明と生態系に及ぼす影響

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19560509
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 水工水理学
• 研究機関: 埼玉大学
• 研究代表者: 藤野 毅 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70282431)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: 河川 / 流下有機物 / 底生動物 / ダム周辺生態系

研究概要

2005年から試験堪水が開始された荒川水系中津川の滝沢ダム上流とダム直下を対象に、流下有機物と底生動物群集の構成調査を行った。試験堪水以降、下流域のほうがタクサ数、バイオマスともに豊かであった。バイオマスの増加は主に大型のヒゲナガカワトビケラが早々に定着したことに起因した。底生動物群集の出水後の回復過程を比較すると、ほぼ同時期に同程度の回復が見られた。統計解析(CCA)によっても出現優占種と環境要因との対応関係が明確に示された.

研究成果

• [雑誌論文] ダム下流に出現する付着藻類群集に与える自然河川中の溶存有機物の影響について (2009)
  • 著者名/発表者名: 藤野毅、カヤディスラウィ、高橋陽一、浅枝隆
  • 雑誌名: 水工学論文集 53巻 ページ: 1135-1140
  • 査読あり
• [雑誌論文] Wetlands Ecology and Management (2008)
  • 著者名/発表者名: Aung N, Asaeda T, Fujino T, Siong K, Nakajima T
  • 雑誌名: Aggregation of Lepidostomatidae in small mesh size litter-bags : implication to the leaf litter decomposition process 10.1007/s ページ: 11273-008-9114-6
  • 査読あり
• [雑誌論文] ダム上下流における底生動物群集の試験湛水開始前後の比較 (2008)
  • 著者名/発表者名: 高橋陽一、藤野毅、Hnin Wityi、浅枝隆
  • 雑誌名: 水工学論文集 52巻 ページ: 1165-1170
  • 査読あり
• [雑誌論文] 森林小河川における落葉堆積形態の分類と機構特性 (2007)
  • 著者名/発表者名: 中嶋崇志、浅枝隆、藤野毅、アウンナンダ
  • 雑誌名: 応用生態工学 10巻2号 ページ: 131-140
  • 査読あり
• [学会発表] Ecological process of benthic invertebrate assemblages during impoundment of a dam (2008)
  • 著者名/発表者名: Fujino T
  • 学会等名: North American Benthological Society
  • 発表場所: Salt Lake City, U.S.A
  • 年月日: 2008-05-26
• [学会発表] ダム試験湛水および出水による底生動物群集の構成変化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 藤野毅
  • 学会等名: 日本生態学会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2008-03-16
• [学会発表] Drift of particulate organic matter and its quality during flood in the upstream of dam (2007)
  • 著者名/発表者名: Fujino T
  • 学会等名: International Symposium of River and Lake Environment
  • 発表場所: Jeju, Korea
  • 年月日: 2007-10-18
• [学会発表] ダム試験湛水開始以降に発生したヒゲナガカワトビケラの優占および流下物 (2007)
  • 著者名/発表者名: 藤野毅
  • 学会等名: 応用生態工学会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2007-09-15
• [学会発表] ダム試験運用直後からのヒゲナガカワトビケラの定着 (2007)
  • 著者名/発表者名: 藤野毅
  • 学会等名: 日本陸水学会
  • 発表場所: 水戸
  • 年月日: 2007-09-13