研究課題/領域番号 |
19560535
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉万 俊夫 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (10135642)
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研究分担者 |
岡田 憲夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026296)
樂木 章子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (00372871)
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キーワード | コミュニティ / 地域計画 / 地域経営 / 過疎地域 / 住民自治 |
研究概要 |
初年度に開始した、「ゼロ分のイチ村おこし運動」の世代的拡大に関する研究を継続しつつ、さらに、同運動の空間的拡大の可能性についても検討した。とりわけ、従来の集落(智頭町は89の集落からなる)単位の同運動が10年の節目を迎える中で、新しいチャレンジとして開始された旧村(智頭町は6つの旧村が合併してできた:旧村は今でも地区と呼ばれ、小学校も地区ごとに設置されている)単位に住民自治システムを構築する運動に注目し、その中で見られる世代的・空間的拡大プロセスの追尾を開始した。現在まで、2地区において地区振興協議会が立ち上げられたが、集落単位の運動を経験していない集落の方が圧倒的に多い。すなわち、地区単位の運動は、集落単位の運動の空間的拡大と捉えることができる。その拡大過程を追尾した結果、集落単位の運動を経験した集落メンバーと、集落単位の運動を立ち上げることができなかった集落にあって同運動を切望する人たちをコアにすることが、新しい地区単位の運動立ち上げにとって重要であることが見出された。また、集落単位の運動と地区単位の運動では、後者の方が(いい意味での)政治性を求めているが、この点が、地区単位の運動が集落単位の運動の延長上で捉えられ、その必要性が理解されにくい原因となっていることも判明した。さらに、地区単位の運動には、集落単位の運動を中心的に担ってきた団塊世代の次の世代も参加しつつあり、その世代的拡大についても追尾を開始した。 加えて、京都市北山(きたやま)の奥地にある花脊(はなせ)地区において、伝統的な3つのコミュニティを横断する形での新しいネットワーキングが開始されており、そのプロセスに智頭町の経験を取り入れる試み(空間的拡大の試み)も行った。
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