研究課題/領域番号 |
19560536
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
張 峻屹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (20284169)
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研究分担者 |
藤原 章正 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (50181409)
桑野 将司 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70432680)
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キーワード | 世帯生活行動 / 個人間相互作用 / 居住行動 / 自動車保有・利用 / 時間利用 / 集団意思決定 / 異質性 / 都市政策 |
研究概要 |
本研究では世帯を対象に、世帯構成員間の相互作用、ソーシャルネットワークにおける個人間相互作用、準拠集団の個人意思決定に与える影響に着目し、「個人間相互作用」を取り入れた都市生活行動に関する統合的な調査・解析手法の開発と都市政策分析への適用可能性の検証を目的としている。平成20年度の成果を以下のようにまとめる。 (1)公共交通指向型世帯居住行動モデルの開発と政策評価 広島市のアストラムラインという公共交通システムを対象に、居住場所と通勤手段の選択を対象に世帯構成員間相互作用を考慮した離散選択モデルを開発した(Transportation Research Record掲載)。 (2)世帯時間配分モデルによる政策評価 日本全国の生活時間の実態を把握するための総務省の社会生活基本調査データ(6時点)を用いて、今まで開発した世帯時間モデルにより生活時間の長期変化における社会インフラ整備の効果を評価した。 また、オランダの生活時間データを用いて、子育ての有無による世帯構成員の生活時間利用パターンに与える影響を評価した。両方の成果はTransportation Research Board年次会議論文集に掲載された。 (3)Transportation Research Part Bでの特集の編集 オランダの共同研究者と一緒に、Transportation Research Part Bにて本研究テーマに関する特集号“Modeling Household Activity Travel Behavior"(Vol.43B, Issue2)を編集した(5編の論文)。本研究で開発した異質な集団意思決定メカニズムをもつ離散選択モデルの論文は掲載された。 (4)新たな解析手法の応用 世帯行動の変動を合理的に捉えることのできるマルチレベル分析手法、異なる分布をもつ行動現象の相関を柔軟に取り入れることのできるコピュラ関数、活動・交通パターンの類似性を抽出するための系列整列法などの新しい解析手法の生活行動分析への応用可能性を明らかにした。
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