本研究では、道路案内誘導システムの構築の前段階として、解決すべき案内標識の問題点を抽出したうえで、地図と案内標識のみで目的地への到達性を高める「地図-案内標識の体系」を提案し、その有効性を検証することを目的とする。このため、計画に基づき平成19年度は以下の研究を行った。(1)解決すべき案内標識の問題点の抽出と課題解決方法の考察:a)単路部における交差点名案の充実と、b)交差点流入部における目標地名表示内容の適正化と交差点名表記の2点が、現状において案内体系上解決すべき課題であることが明らかとなった。そこで、課題a)、b)に関し、それぞれA)主要な交差点に名称を付けその交差点名を標記し、単路部にはその交差点名の案内を行う、B)不案内の利用者が標識に現れる案内地名を出発前に知ることができるよう標識情報が記載された地図を作成した。(2)識情報を記載した地図の作成:次のような地図を準備し、運転者がそれらを出発前に見て、予定経路上の地名案内状況を知りえた場合に、標識の案内誘導効果が向上するか否かを検討し、対象地域を設定したうえで、次の2種類の地図を作成した。1)地名案内標識に表示された地名の地理的な位置のみを記載した地図2)地名案内標識に表示された地名を交差点進入路の方向別に記載した地図(3)実験計画の立案:対象道路網に適用した具体的な実験ケースを設定した。この際、具体的なケース設定は、実験計画法を用いて要因配置を行った。
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