研究課題
【研究の背景と目的】地域防災力を高めるための啓発材料としてハザードマップの整備と普及が急務である。しかし、現状のメッシュ地図形式のハザードマップのみではリアリティーに乏しい。地域防災力向上のためには、災害イメージを具体的に実感できる詳細なハザードマップが有効であり、建物や電柱、ブロック塀等の3次元モデルを用いた「3次元ハザードマップ」は、「現実の世界に起こりうる災害状況」をシミュレーションすることが可能である。しかし、現状では、この3次元モデルを構築するためのモデリングに膨大な時間と労力がかかる。そこで、本研究では、これまでの研究成果である「3次元都市モデルの自動生成システム」を発展させ、地震で倒壊し、傾斜してしまった建物や電信柱等で構成される3次元モデルを自動的に作成することで、建物倒壊、道路閉塞などのシミュレーションを行うことが出来る「3次元ハザードマップ」を自動的に作成するシステムを開発することを目的とした。【研究実施計画】最終年度の研究実施計画として、「震災による建物倒壊や道路閉塞の状況を3次元シミュレーションするために、倒壊、傾斜した建物や電柱、ブロック塀等のモデリングを行う。このために、建物の耐震上の構造や建物規模、築年数に応じて、建物倒壊のパターンを類型化し、倒壊建物の3次元モデリングを行う。」などとした。【研究成果】建物の3次元モデリングでは、これまでの研究成果「3次元建物モデルの自動生成」のプログラムを発展させて、プログラム開発を行った。本年度の研究成果として、(1)道路閉塞の状況をシミュレートするために、傾斜した建物や電信柱の自動生成。(2)3次元建物モデル自動生成の基礎技術としてオルソ画像上の建物境界線からの自動生成処理。(3)多様な形態である建物を自動生成するため電子地図上の多重建物境界線からの3次元建物モデルの自動生成。これらの研究成果は、3次元建物モデルが主要な構成物である「3次元ハザードマップ」を構築するための基礎となる重要な研究成果である。
すべて 2009 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 備考 (4件)
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